2次元エンコーダ

1枚の基板に4つの光学反射式エンコーダを配置し、XY 2次元スケールのパターンを直接読み取るエンコーダです。測定精度はスケールそのもので決まり、ステージのピッチング・ヨーイング・ローリングなどの誤差の影響を受けません。X軸・Y軸の直交度もスケール原版が基準になるため、検査装置などにも使えます。

特長

  • 測定精度はスケールで決まり、ステージのガイド誤差の影響を受けない
  • 4つのエンコーダを1枚の基板に搭載し、XY座標を同時に検出
  • X軸・Y軸の直交度もスケール原版が基準
  • Niスケール・合成石英スケールの計4種類を用意
  • 逓倍設定範囲 1~512

測定の原理

XYステージの中空部にエンコーダ基板を上向きに置き、ステージと一緒に動くスケール板のパターンを下から読み取ります。4つのエンコーダは回転対称に配置され、その中心が2次元エンコーダの測定中心になります。ステージのガイドが真っすぐ動かなくてもスケールパターンが一緒に動くため、ステージに起因する誤差は測定値に入りません。測定中心を顕微鏡の十字レチクルの中心など測りたい位置に合わせておけば、その位置のXY座標を直接得られます。スケールパターン自体の誤差は、トレーサブルな測定器で校正することで対応できます。

4つのエンコーダの配置と測定中心

4つのエンコーダの配置と測定中心

測定顕微鏡に組み込んだ例(断面)

測定顕微鏡に組み込んだ例(断面)

エンコーダ仕様

標準スケールはZ相に対応していません。FFC・FFCコネクタはオプションです。

エンコーダ仕様 エンコーダ仕様 寸法図
項目 仕様
検出方式 光学反射方式
搭載エンコーダ 4個(X・Y各2個)
基板外形 φ36.5mm、厚さ0.6mm
スケール間ギャップ 0.75±0.25mm
X,Y分解能 64μm
逓倍設定範囲 1~512
出力信号 TTL (A+,B+,A-,B-)
出力コネクタ FFC用表面実装、18ピン、0.5mmピッチ
電源 5V, 500mA
耐環境性(温度) -10~85℃
耐環境性(湿度) 10~85%(結露なきこと)

スケール

粘着テープ・粘着剤スプレーは付属しません。

型式 パターン(X×Y mm) 材質 厚さ(mm) 寸法(X×Y mm) 取付
S106X85Y64M 106×85 Niスチール 0.15 112×92 粘着テープ
S133X95Y64M 133×95 Niスチール 0.15 139×101 粘着テープ
S350X350Y64M 350×350 Niスチール 0.15 360×360 粘着剤スプレー
S212X212Y64Qz 212×212 合成石英 5 229×229 枠材に落とし込み

コネクタ ピン配置

FFC 18ピン、0.5mmピッチ

Pin 信号 Pin 信号
1 +5V 10 I-
2 +5V 11 I+
3 GND 12 B-
4 GND 13 B+
5 SEL3 14 GND
6 SEL2 15 +5V
7 SEL1 16 GND
8 Index SEL 17 A-
9 CAL 18 A+

オプション

品名 仕様
FFC 18ピン、0.5mmピッチ、長さ200mmまたは300mm、幅9.5mm
FFC変換基板 18ピン、0.5mmピッチ
FFCコネクタ 18ピン、0.5mmピッチ

応用例:ディストーション測定顕微鏡

2次元エンコーダを組み込んだシステムとして、ディストーション測定顕微鏡もご提供しています。レーザーマーカーなどガルバノスキャナを使う加工機では、集光レンズの収差や2つのガルバノスキャナの角度誤差によって、描画したパターンが歪みます(ディストーション)。歪みはレーザーの光学調整でも変わるため、加工機を設置するたびに1台ずつ補正データを作る必要があります。2次元エンコーダを組み込んだ測定顕微鏡は、描画した碁盤の目パターンの交点を十字レチクルに合わせるだけでXY座標を取得し、CSVファイルに出力します。この座標をガルバノスキャナの補正ソフトに適用して補正データを作ることで、描画精度1μm程度を実現可能です。小型・軽量のXYステージで構成できるため、加工機の設置現場に持ち込んで測定できます。

手動ステージ型 9060

手動ステージ型 9060

9060 のXYステージ(2次元スケール・LCD表示器)

9060 のXYステージ(2次元スケール・LCD表示器)

電動ステージ型 190190

電動ステージ型 190190

測定顕微鏡の仕様

項目 手動ステージ型 9060 電動ステージ型 190190
測定領域 90×60mm 190×190mm
測定分解能 0.1μm 0.1μm
使用スケール S133X95Y64M S212X212Y64Qz
座標の出力 USB(PCソフトでCSVファイルに保存) USB(PCソフトでCSVファイルに保存)

ディストーション補正の流れ

測定値が許容値に収まるまで、描画・測定・補正を繰り返します。

碁盤の目パターンの補正の例

碁盤の目パターンの補正の例

STEP 内容
1 加工機で碁盤の目パターンを描画する
2 測定顕微鏡で各交点のXY座標を順に取得し、CSVファイルに保存する
3 測定値から倍率誤差・歪み・座標軸の誤差(ガルバノのX軸とY軸、ガルバノとステージの座標軸)を求め、許容値と比べる。許容値を超える場合は補正データを作成してSTEP 1に戻る
4 補正データを適用してレーザー加工を行う

測定ソフトウェア

交点を十字レチクルに合わせて座標取得ボタンを押すと、XY座標と顕微鏡カメラの画像が保存されます。碁盤の目の座標を順に取得するためのガイダンス画面があり、取得した座標は理想値とあわせてCSVファイルに出力されます。

座標取得ソフトの画面

座標取得ソフトの画面

座標取得時に保存される顕微鏡画像

座標取得時に保存される顕微鏡画像

CSVファイルの出力例(理想値・測定値)

CSVファイルの出力例(理想値・測定値)